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ここは櫻井きらと綿帽子が運営する同人サイトです。
主にこの2人がただひたすらに萌を
展開させております。
start/2008年5月6日
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変わらぬものなど有り得ない。
時が流れ、世界が存在する限り全てのものは変化し続ける。
人はその大きな流れの中で芽を出し、倒れ、起き上がり、やがては枯れ果てる。
真実が全て・・・それが世界の原則。
世界は虚像を許さない。
真実を受け入れられない者、真実から目をそらす者は流れの中に消されてしまう。
人は運命に逆らうことなど出来はしない。
それを知って直もあがき続ける人間という生き物をとても愛しく思う。
〈受け入れた者と拒んだ者〉
「やっぱりあの二人って付き合ってるのかしら。」
「この頃とっても仲がいいし、お似合いだし。」
あちらこちらでそんな声が聞こえてくる。
アッシュフォード学園クラブハウス一階フロア。
そこにはきらびやかなドレス、タキシードを着込んだ生徒たちが集まり騒いでいた。
今日の企画もまた生徒会長でありお祭り好きのミレイ・アッシュフォードが発案したものだ。
名付けて『青春を楽しもう!ドッキドキのハート探しパーティー』。
このパーティーでは一人でいることは出来ない。
事前に相手に申し込みをし、ペアで来ること、それがこのパーティーの参加資格であると。
皆、それぞれペアを見つけてこの場にいる。
その中でも一際目立っているのは副会長のルルーシュ・ランペルージと生徒会役員カレン・シュタットフェルトであった。
この二人については全校に衝撃が走ったことが一つある。
パーティーの申し込みはルルーシュからだということだ。
その時のセリフが『俺と付き合ってくれないか』だったのはもう、皆が知る事実。
二人が恋人かどうかは不確定な事実とされていたが、これで明確になったと皆は思っている。
ルルーシュ、カレンに思いを寄せる男女は絶対に認めたくはないが会場にやって来た二人には誰もが目を奪われた。
漆黒のタキシードとドレスを纏った二人はパーティー会場内のどのペアよりも目を惹く存在だ。
「ルルーシュ、カレン、似合ってるわよ。このミレイさんの目に狂いはなかったようね。」
赤いドレスを纏ったミレイが二人の下に近づいて来た。
パートナーはリヴァル。
誘ったのは意外にもミレイからだと少し噂になっている。
「会長のみたては完璧ですから。」
「当然よ!ルルちゃんにやらせた日には・・・涙が止まらないんですもの。」
「確かにルルーシュ、顔はいい癖にセンスがなぁ。」
「うるさい///」
自分でも分かっているのか、二人に言われてルルーシュは顔を赤くする。
それも貴方の可愛いところだと、さりげなくカレンがフォローを入れるが、あまり意味がない。
そんな四人の様子を少し離れたところからみている二人がいた。
「カレン、ルルーシュとは何でもないって言ってたのに・・・。」
「ルルーシュ、何で僕じゃダメなんだっ。」
華やかな会場の一角はとても沈んでいた。
シャーリーとスザクである。
二人とも白をメインとしたドレスとタキシードを着ている。
が、その白に似合わず、二人は暗かった。
シャーリーはもちろんルルーシュを誘ったが、もう行く相手がいると断られた。
スザクなど「男と行けるか、馬鹿がっ。」と瞬殺の如く切り捨てられてしまった。
問いつめても誰と行くのかルルーシュは吐かず、真実を知りたい二人は手を組んだのだった。
「あぁ、ルルにはやっぱり黒よぬ・・・素敵。」
「ルルーシュ・・・君以上に黒が似合う人なんていない。ゼロも似合うけど・・・んっ、何で僕はあいつのことなんて・・・・。」
結局はルルーシュしか目に入らないルル命なシャーリーとキャラが少し壊れかけている体力馬鹿がルルーシュへと熱い視線を送っていた。
「あ~ぁ、二人とも大丈夫かしらねぇ。」
そんな二人を四人は呆れ顔で見ていた。
ただルルーシュだけは三人が見ていたから見ただけで、あの二人はあんなに仲が良かったのかぐらいにしか思ってないが。
「二人にはショックでかかったのかもな。俺だってルルーシュからカレンを誘ったって聞いた時にはびっくりしたもんなぁ。」
「いつも尽くしてもらってるからな。たまには返さないとカレンに悪いだろ。」
「私は十分返してもらってるわ、ルルーシュ。私の方こそもっと捧げたいくらいよ。」
「お前ら・・・いつの間にそんな仲になったわけ・・・・。」
自分たちの知らぬ間に話はかなり進んでいるらしいことが見てとれてしまう。
そこへやっとシャーリーとスザクが合流した。
「「カレン(ルルーシュ)は付き合ってるのっ!!」」
息を合わせたかのように同時にシャーリーとスザクは本題を口にした。
どうやら本人に確認するまでは認めないという結論に至ったらしい(それが事実でも諦めるつもりはないと思うが)。
他の生徒たちも気になっていたところであり、 こそこそと聞耳を立てている。
「あぁ、つい最近からなんだが、なぁ、カレン。」
「そうね、ルルーシュ。」
その答えにシャーリーとスザクは撃沈し、周りで聞いていた生徒たちも肩を落とした。
「でも何でパーティーに参加したんだ。ルルーシュもカレンもこういうの苦手だろ。今回は生徒会役員強制参加じゃないんだし。」
そう、今回のパーティーは自由参加であり、実質ニーナは欠席であった。
皆が驚いたもう一つの理由は祭り事の好きでない副会長が会場に姿を見せたことにもある。
「あぁ、最後に少しだけ楽しんでおこうと思ってな・・・。」
「そうね、これが最後になるから。」
「ルルーシュ、それってどういう・・・。」
バンッ。
これが最後だというルルーシュとカレンを不審に思いスザクが尋ねようとしたその時である。
クラブハウスの玄関が勢いよく開かれ、数十人もの軍人が入ってきた。
会場内に生徒たちの悲鳴が響く。
「あれはっ。」
「えっ、うそ。」
軍人たちの後に続いて入ってきたのは神聖ブリタニア帝国第2皇子シュナイゼル・エル・ブリタニアだった。
自分が侵入者だと感じさせない優雅な態度。
非常識なこの状況も正しいことのように思えてしまう。
会場のざわめきも気にせず、シュナイゼルは真っ直ぐ中央にいる生徒会役員たちの方へ歩いてくる。
「シュナイゼル殿下、このような所へ、どうなさったのですかっ。」
「下がりなさい、枢木少佐。」
「いえ、しかしっ「下がりなさい。」
シュナイゼルのうむを言わせない圧迫にスザクはそれ以上言えなくなってしまった。
人を支配する、上に立つ者の力をスザクは始めて知った。
スザクを避けシュナイゼルは歩き出した。
しかし、また違う守り人が立ち塞がる。
「殿下、ミレイ・アッシュフォードにございます。今日はどういったご用件でのご来校ですか。前もってご報告頂ければお出迎えに伺いましたのに。」
「ミレイ嬢、今日は少し欲しいものがあってね。用が済んだらすぐに帰るから気を使わなくていい。下がりなさい。」
「出来ません。分かっているはずです。」
「アッシュフォード家にはもうそのような力はない。下がりなさい。」
丁寧に合わさった手は白くなり、爪が食い込む。
ミレイは唇を噛み締めてうつ向いた。
シュナイゼルはそんなミレイの横を静かに通り過ぎる。
目指した先には求めた者とその騎士がいる。
彼よりも一歩前に出て立つ黒いドレスの焔なる少女は騎士の鏡といえよう。
「久しいね、ルルーシュ。7年ぶりかい、きれいになった。本当に彼の皇妃の生き映しのようだ。」
「お久しぶりです、兄上。兄上はお変りないようで。」
挨拶、ただの挨拶のはずなのに、そこには膨大な圧迫感があった。
ただそこに在ることが辛い。
体が石になってしまったかのように誰一人として動けなかった。
それは支配権の取り合い。
「ずっと探していた。戻ってきなさい、ルルーシュ。私の元へ。」
「クスッ。お戯れを、兄上。私の答えなど既にお分かりでしょう。私は貴方の元へ戻る気はありません。」
「君は昔から頑固だったからね。だからこそ作った状況だ。君の騎士は優秀なようだが、彼女一人ではどうにもならないよ。」
自分の絶対を信じているシュナイゼルは穏やかに言った。
一つだけ気になることは、始めから今まで、ルルーシュが表情を変えないこと。
「私はチェスで貴方に一度も勝ったことはありません。しかし、だからといって今回のゲームも私が負けるとは限らないでしょう。」
「その自信はあるのなか。」
「私はもう貴方の操り人形になるつもりはありません。このゲーム、私は負けられないのですよ、兄上。」
ガッシャーン。
ルルーシュが言い終わると突然クラブハウスの窓ガラスが一斉に割れた。
会場内はまた生徒たちの悲鳴が響き渡った。
「もちろん、気付いているのでしょう。私がゼロだと。」
そこには黒の騎士団、ゼロの機体ガウェインがあった。
それも分かっていたのようにシュナイゼルはルルーシュに微笑む。
「分からないはずがない。君がゼロとして現れた時からずっと見てきたよ。ゲームはこれだけでは終わらないのだろう。」
「終わりませんよ・・・まだ。では、シュナイゼル皇子殿下、戦場でお会いしましょう。」
王は黒馬に乗り、焔の騎士と灰色の魔女を携えて去った。
後に残された光の皇子もまたゲームの一手を進める。
「言っただろう。これが最後だと。楽しかったよ、スザク。」
共にと誓った道はいつの間にか別れた。
いや、最初から交わってすらいなかったのかもしれない。
一人泣いた守り人は、それが貴方の望みのばと、偽りの楽園で主の帰りを待つ。
全ての駒が皿へとすくわれるのは白が先か、黒が先か――――。
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