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ようこそ!! ここは櫻井きらと綿帽子が運営する同人サイトです。 主にこの2人がただひたすらに萌を 展開させております。 start/2008年5月6日
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ちょ、まじ?アレマリ最高!!!

来たよ愛の逃避行!!!!

日の出さんありがとう!!!
ホントこんなにノマカプに萌えたの初めて!!!

最近の日の出さんは腐女子の妄想をよく現実にしてくださる。今回の展開、某サイト様で読んでた。

スザルル騎士皇帝といい、今回といい・・・

この後のストーリー書きますわ!!イエイ!←

てか本当に、ひゃぽおおおおおおおおううううううう!!!



最近のサジがやたらと一期スザクにかぶる。



終われ
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な、004話感想!
・・・・もどきな叫び


な ん と い う


NL祭!!!


ひゃぽーーーーーーー!!!(落ち着け

刹マリ!! アレマリ(ソマ)!! ロクフェル!! ついでにビリスメ!!←え

かわういなあ・・・。



以上!!(ほんとに一言・・・orz)







成りきれなかった、僕ら





もし、神が居るとすれば

彼等は、とてつもなく残酷なのだと思う…










二時間目の終わりを告げる鐘。

一斉に騒ぎ出す辺りは、何時にも増してざわついていた。

「枢木~面会だぞーぉ!」

声に振り向けば、後方にある廊下と教室の境に、クラス中の注目を集める少女が佇む。

視線が合い、静かな足取りで中へと入って来た。

さっきまで、本当に数秒も経たない間。
なのに、回りを消しゴムが落ちる音さえ響きそうな静けさが襲う。

何故なら皆、自分に歩んで来る少女に見入っているから。

「はい。忘れ物」

机に置かれた弁当箱。

視線を彼女に戻せば、もう踵を返そうとしている。

「じゃ、用はそれだけだから。兄さん」

兄さん…
兄。

誰もが見とれる端正な顔立ちに、上から下まで清楚なライン。

只でさえ人目を引きつける顔には、鮮やかなアメシストが瞳から輝く。

口に称えるなら"麗しの美少女"。

そんな彼女は一昨日。



僕の義妹になった。








「覚悟は…してたのにな」

「何をだ?」

ボソリと自覚なく零れた一言。

「い、いやっべ、別に…」

拾いあげられて、いつの間にか隣りに居たことを気付かされた。

同じ親。

同じ家。

同じ学校。

同じ道。

だからこそ、何の理由もなく肩を並べられる今。

これは複雑な気持ち。

学園のマドンナと一つ屋根の下で過ごす決意と、共に居て宛てられる波風にめげない覚悟。
父に再婚相手の子供だと、これから兄妹になる子だと紹介されて、無い時間の中胸に決めたこと。

噂に聞いていた少女。

それは誰もが瞳で追う美女。

みんながそれぞれに絶賛を絶やさないから、学園で擦れ違う度、体育館の教壇で目に停める度、別世界の人だと区切りを知らぬ間につけていた。

だからこそ、一昨日父と彼女の母が籍を入れ、新生活が始まったのだという自覚がない。






けれども、この帰り道で宛てられる視線。
教室で、彼女が去った後の騒ぎ。

何より隣りに居る彼女。


全て現実だ。


「今晩の献立、なにがいい?」

「へ?」

唐突にかけられた言葉に、辺りの視線を気にしながら心ここに在らずの僕は、思わず情けない声で返してしまう。

「平日は、母さんも遅いからな」

あ…
確かマリアンヌさんも仕事をしている。

共働きの両親。

結局再婚しても、家に親が居ないことは変わりない。

「これからは…主に平日だが、食事は俺が作るから、文句は食う前に言えよ」

それは…そんな無茶な…
料理の評価は口にしてこそ言えるもので…

元より、家事を進んでしてくれる彼女に文句の欠片もない。

相も変わらずな言葉遣い。

口が悪い…とまでは行かなくても、一見トゲトゲしい口調。

けれど、サバサバした性格にはぴったりな無駄のない言葉で、初めて言葉を交わした時の、面を食らった思いは未だ忘れないけれど、今は身近に感じる。

「で、何かリクエストは?」

「んー、今日はお任せで!」

いきなり聞かれても即座に出ることもなく、ここは一つお手並み拝見といこう。

物心つく前からの片親。
互いに"独り"の長い僕ら。

炊事洗濯は、学ぶべくして学んだ。

きっと彼女も小さい頃から家事をしていたと思うから。

「なにニヤけてるんだ?」

不思議と踊る胸。

それは彼女の腕を期待しているからなのか、よくは分からないけれど、微かな喜びが確かに胸にあった。





「おかわり!!」

お椀を突き出した先の顔が歪められる。

「……っ…はぁ」

紡ぎかけた口からは、大層な溜め息。

渋々お椀を受け取りながら、また一つ小さな溜め息が漏れた。

「……いくら何でも、食い過ぎだ」

腹を痛くしても知らないと、よそわれたお椀を返すルルーシュ。






けれど、仕方ない。
まさか彼女が、なんでも良いと言った返しに、見るもきらびやかな和食を作ってくれるなんて。

細やかな感動。

時に流され、多種多様の血を祖にもつ社会。

かつての黒髪と瞳は稀になった日本。

別に異国同士の文化嫌悪はなく。
そんなものなど、同国同士の結婚が珍しくなったこの社会に、欠片すら消えている。

だからと言って、異国の文化を尊重することもなく、互いに中立を保つのが常。

学校など公共の場では一応国の下、日本の風習が基本とされるけど、ほとんどより良いものと外来のものも多い。

その中で目にした和食。
手のこんだ手作り。

箸を進まずにはいられない。

「だって嬉しいし、なにより美味しいんだもん!」

お世辞でもなんでもなく、初めてルルーシュの作ったものを口に入れた感想。

掻き込む手は止まらない。

「それで最後だからな」

「んっんんぅーー」

一杯の口に抗議の声は呻きに変わる。

どうやら"警告"がダメなら"命令"で止めようとかかったのだ。

「また幾らでも、飽きるほど作ってやるから」

フォローも忘れず、自分はまんまとその言葉に飛び付く。

「じゃあ、お弁当も頼んでいい」

返されたのは、さっきから何度も見て来た溜め息。

けれど、了承の色を含んだ溜め息だ。











四人暮しが始まって早二ヵ月。

思いの他、家族らしい日々。

別に抵抗はなかったけれど、こうも"家族"に四人全員が溶け込めるとは思わなかった。

未だ、"本当の家族"と問われるのは苦々しい。
けど、互いの距離が心地良いと思うのは、変な話だろうか?

「相変わらず、幸せそーですね」

物思いにふけって居た自分。

青い跳ねっ毛の友人に声を掛けられ、気付けば口に箸をくわえたままの姿勢。
随分と情けない格好で惚けていた。





「なあ、今日こそ一口くれよ!」

ねだられるお弁当。
この駆け引きも、よくあきない。

「ダメ。僕のだから」

相変わらずの答えに、相変わらずの拗ね顔。

「…しっかし、よくまぁ、もつよね~ぇ」

いつもどおり、次に反論が来ると思えば意外にも話題が変えられた。

何が?と聞き返したら、肘を立てた手に顎を乗せ、窓側に視線を泳がす。

「俺だったら無難に距離を取るね。相手はなんせこの学園のマドンナ、側に居るだけで波風激しいって」

確かに…
最初の半月ぐらいは凄かった。

知らない女子に呼び止められて釘を刺されたり、他クラスの男子に脅されるわ、終いに新聞部の押しかけ取材と称した尋問。
疑われた仲を否定してもなかなか潔白が晴れない。

考えたら、当たり前と言えば当たり前。
今でさえその疑いはあっちこっちに燻っているままで、何より目の前の男も、火種を燻らせる一人。

その証拠に…

「第一ルルーシュ・ランペルージを前にだぜ?距離取らなきゃ、何時理性が切れたっておかしくないね!」

悲しく、聞くも単純な漢の本性。

「理性も何も、ルルーシュは妹だよ」

でなければ、共にいれない存在だ。

「本当に~ぃ?」

いかがわしく迫る顔は、何処か悪戯の色。
示される全開の好奇心。

埒が明かないと、今度は自分から瞳を逸らす。

「あ!」

逸した先に、たまたま捕らえた女性。
自身が声を上げる前に、横に先を越された。

噂をすれば何とやら。
話題の中心が現れたことに、自分よりもリヴァルが落ち着かない。

「どうしたの?」

可愛い妹…と言うにはまだまだ抵抗が強いけど、彼女が学校で訪ねて来るのは内心、すっごく嬉しいのは秘密。

多分、この優越感にも似た感情が見透かされているから、誤解がなかなか皆に解けないのかもしれない。

「今朝母さんに、大きいものの買い出しを頼まれたんだけど…都合がよければ、手をかしてくれないか?」





相変わらず、彼女の登場に静まる辺り。
恐る恐る言葉を続けるルルーシュや僕らの会話に聞き耳を立てている。

正直、この空気に彼女を余り晒したくはない。

「お、俺俺!良ければ手伝いまーす!」

自分なら距離を取ると、今さっき言ったはずの跳ねっ毛。
数分前の台詞がまるで幻聴のように、図々しく割って入って来た。

「良いよ、僕一人で十分だ。放課後迎に行くね」

上半身を机から乗り出してまで自己アピールをしている友人を退け、申し出に困惑していた彼女に断言すれば、表情が微かに和らぐ。

ありがとうと、自身の教室に去って行った後に、一変する室内は言うまでもない。



帰り道。

「よっと」

「だい…丈夫か?」

大荷物を抱えて、バランスを探る為に少しよろけた僕。

すかさず心配そうな声音が傍らから聞こえた。

「うん平気」

それでも微かに歪められた眉は和らがない。

「ね、レンタル屋寄ってかない?」

やっぱり自分も持つと続けられ、互いに譲らず終止が見えなくなるかもと、話を逸らしてみる。

「明日土曜だし、父さんも義母さんも今日は結構遅いし、夜更かししよ!」

我ながら子供染みた幼稚な誘い。
けど意外にも、お咎めが降りそうな副会長は、笑って頷いてくれた。

また一つ、距離が縮まる心地好い変化。

そしてこの変化が今度、180度形を変えてみせる。



翌日。

徐々に覚醒する意識の中。

伝わる温度がぬくい。
腕の中に感じた柔らかさ。
鼻先を掠める仄かに甘い香り。
瞳を開ければ目の真前にある顔。

「!…っ」

え…っと…

長い睫毛。
薄い吐息。

肌は白くてあとけない表情。
息がかかる程近い薄桃の唇。



バタンッッ



急いでベッドから、部屋から飛び出た。

勢いよく閉めたドアに背を預け、その場にへたれこむ。






昨日は確か家に着いた後、夕食作りの間に風呂へ入り、食事を終え、自分の部屋で上映の準備を整えて、風呂上がりの彼女を待った。

見始めた映画。
長い長いシリーズ物。

先にルルーシュが眠りに落ちて、寝台に運ぶ。

それから…どうしたんだっけ?

困惑する中で、辛うじて服が乱れていないことに安堵する。

「…っ、まいったな…」

落ち着けと言い聞かせる胸。
けれど、加速された鼓動は止まない。

その日からと言うもの。

「お前最近挙動不審だぞ」

当人が感付くほど、いつもの態度が取れなくなった僕。

「それに…なんか避けてないか?」

もう大部慣れた登下校。

「きっ気のせいだよ!」

家に辿り着く道が憎い。
だって結構、今晩も二人っきり。

自覚してしまったんだ…

自覚して一変した世界。
正に蛇の生殺し。

「…夕食、抜くぞ?」

「う゛っ…」

それでもこの思いは言えるはずもない。

「本当に気のせいだってば!!」

たまらずに叫んで、いつの間にか着いた家の階段を駆け上がる。

閉じ籠る部屋。

自分の荒い息だけが静かに響いた。

頭に過ぎる先週の週末。

気が付けば目で追うばかりで、彼女がいかに無防備だったか思い知らされた日々。

前に友人が言った距離は、確かに近過ぎたのだと思う。

それを兄妹に近付いていると、自分に言い聞かせていたのかもしれない。

巡る頭を上げて窓を見れば、明るかった空は一面の藍色。

そろそろ頭でも冷やそう…

おぼつかない足取りで風呂場に歩む。

数日間考えたこと。
同じ考えを何度も繰り返した。

要は自分が諦めればいい。
ただ…それだけの話。
これ以外に行き着かない。

今ならまだ、間に合うだろうか。

着いた脱衣所の戸を溜め息と一緒に開けた。


「えっ」

「あ…」


こんなにも間の悪いことってあるのかな。






辺りに漂う白い煙。
徐々に水滴と変わり、中に居た少女が浮かぶ。

瞳に移る裸体。

一気にあの日の感触が蘇る。

「っ…ぅわあ~っっ」

再び、自室へと逆戻り。
なんかもう…全てが情けない。

間近に、極間近にいる思い人。
毎日顔を会わせる中で、思いを断ち切るなど、出来るものか。

今だって、瞳に焼き付いてしまった光景。

酷く甘い香りがした。
自分の寝台に何度残り香を追ったのだろう。

抱き締めてた体は、細いのに柔らかくて、凄く愛しかった。

毎晩辿ってしまう自覚した日のこと。

これじゃあ、まるで変態だ。



コッコッ



凭れた背から聞こえる音。

「…叫びたいのはこっちの方なんだが…」

耳に届く声の中に躊躇いか見え隠れする。。

うん。
そりゃあそうだよね。

「何時まで閉じ籠って居るつもりなんだ?」

続く呆れた声。

「食器が片付かなくて困るんだが」

抜くって言った君なのに、結局作ってくれたんだ。

ルルーシュの気持ちを無駄にしたくない。

だけど口を開けば爆発してしまいそうで、心配してくれる彼女に心配を重ねるばかり。

「…開けて、くれないか」

どんな顔して君に会えばいいの?

「俺、何かした?」

違う…違うよ。
僕が…

「スザク」

へっ

驚きに突っ支い棒の役割をしていた僕の背が離れる。

ゆっくりと開く扉。

反射的に振り返って、僕が見上げた形で向かい合う僕ら。

…今、

「な、前…初めて…」

呼んで、くれた。

公共の場は何時だって兄と呼ぶ彼女。

父が初めて面通しをした時に。

『兄、さん…?』

呼び方を探る君。

『無理して呼ばなくていいよ』

『でも…』

きっと呼び方にこだわったのは、誤解を招かない為。

でも、一年も違わない子から兄と呼ばれるのは変な気がして、一つ提案を出した。





まだほぼ他人の僕達。
もし、本当に兄となれるならそのままでいい。
けど、至れないのなら友達でいようと。

『…わかった』

次の日から呼び掛ける声に、"兄"も"名前"もなくなった。

それでも人前では兄と呼ぶ。

何時からが、気を使っているのだと気付いて、次に憂鬱に感じた。

今なら、誤解されたくないと思っているかもしれない彼女に、抵抗していたのだと分かる。

たった一声。
名を呼ばれただけ。

惚ける僕に焦った声音が届いた。

「そ、んな、顔するな…」

一体自分はどんな顔をしているのだろう。

「言っておくが、別にお前が兄として至らなかったからじゃないぞ」

紡ぐのは僕の本心に気付いていないフォロー。

次に、続かれた言葉。

それは…再び、僕の世界を変える。


「俺が…その…"兄妹"では、いたくない…だけだ…」


この言葉をどうとらえよう。
踏み出してもいいのかな…

多分、二度と戻れない一歩。

もう兄には成れないから。


どうか、次に僕の口から出る言葉が、呪文である様に…






一言を






-好き、好きだよ…君が好き-




.fin






変わらぬものなど有り得ない。

時が流れ、世界が存在する限り全てのものは変化し続ける。

人はその大きな流れの中で芽を出し、倒れ、起き上がり、やがては枯れ果てる。

真実が全て・・・それが世界の原則。

世界は虚像を許さない。

真実を受け入れられない者、真実から目をそらす者は流れの中に消されてしまう。

人は運命に逆らうことなど出来はしない。

それを知って直もあがき続ける人間という生き物をとても愛しく思う。




〈受け入れた者と拒んだ者〉
 



「やっぱりあの二人って付き合ってるのかしら。」

「この頃とっても仲がいいし、お似合いだし。」


あちらこちらでそんな声が聞こえてくる。

アッシュフォード学園クラブハウス一階フロア。

そこにはきらびやかなドレス、タキシードを着込んだ生徒たちが集まり騒いでいた。

今日の企画もまた生徒会長でありお祭り好きのミレイ・アッシュフォードが発案したものだ。

名付けて『青春を楽しもう!ドッキドキのハート探しパーティー』。

このパーティーでは一人でいることは出来ない。

事前に相手に申し込みをし、ペアで来ること、それがこのパーティーの参加資格であると。


皆、それぞれペアを見つけてこの場にいる。

その中でも一際目立っているのは副会長のルルーシュ・ランペルージと生徒会役員カレン・シュタットフェルトであった。

 



この二人については全校に衝撃が走ったことが一つある。

パーティーの申し込みはルルーシュからだということだ。

その時のセリフが『俺と付き合ってくれないか』だったのはもう、皆が知る事実。

二人が恋人かどうかは不確定な事実とされていたが、これで明確になったと皆は思っている。


ルルーシュ、カレンに思いを寄せる男女は絶対に認めたくはないが会場にやって来た二人には誰もが目を奪われた。


漆黒のタキシードとドレスを纏った二人はパーティー会場内のどのペアよりも目を惹く存在だ。


「ルルーシュ、カレン、似合ってるわよ。このミレイさんの目に狂いはなかったようね。」


赤いドレスを纏ったミレイが二人の下に近づいて来た。

パートナーはリヴァル。

誘ったのは意外にもミレイからだと少し噂になっている。


「会長のみたては完璧ですから。」




「当然よ!ルルちゃんにやらせた日には・・・涙が止まらないんですもの。」

「確かにルルーシュ、顔はいい癖にセンスがなぁ。」

「うるさい///」


自分でも分かっているのか、二人に言われてルルーシュは顔を赤くする。


それも貴方の可愛いところだと、さりげなくカレンがフォローを入れるが、あまり意味がない。


そんな四人の様子を少し離れたところからみている二人がいた。






「カレン、ルルーシュとは何でもないって言ってたのに・・・。」

「ルルーシュ、何で僕じゃダメなんだっ。」


華やかな会場の一角はとても沈んでいた。

シャーリーとスザクである。

二人とも白をメインとしたドレスとタキシードを着ている。

が、その白に似合わず、二人は暗かった。

シャーリーはもちろんルルーシュを誘ったが、もう行く相手がいると断られた。

 



スザクなど「男と行けるか、馬鹿がっ。」と瞬殺の如く切り捨てられてしまった。

問いつめても誰と行くのかルルーシュは吐かず、真実を知りたい二人は手を組んだのだった。


「あぁ、ルルにはやっぱり黒よぬ・・・素敵。」

「ルルーシュ・・・君以上に黒が似合う人なんていない。ゼロも似合うけど・・・んっ、何で僕はあいつのことなんて・・・・。」


結局はルルーシュしか目に入らないルル命なシャーリーとキャラが少し壊れかけている体力馬鹿がルルーシュへと熱い視線を送っていた。





「あ~ぁ、二人とも大丈夫かしらねぇ。」


そんな二人を四人は呆れ顔で見ていた。

ただルルーシュだけは三人が見ていたから見ただけで、あの二人はあんなに仲が良かったのかぐらいにしか思ってないが。


「二人にはショックでかかったのかもな。俺だってルルーシュからカレンを誘ったって聞いた時にはびっくりしたもんなぁ。」
 


「いつも尽くしてもらってるからな。たまには返さないとカレンに悪いだろ。」

「私は十分返してもらってるわ、ルルーシュ。私の方こそもっと捧げたいくらいよ。」

「お前ら・・・いつの間にそんな仲になったわけ・・・・。」


自分たちの知らぬ間に話はかなり進んでいるらしいことが見てとれてしまう。

そこへやっとシャーリーとスザクが合流した。


「「カレン(ルルーシュ)は付き合ってるのっ!!」」


息を合わせたかのように同時にシャーリーとスザクは本題を口にした。

どうやら本人に確認するまでは認めないという結論に至ったらしい(それが事実でも諦めるつもりはないと思うが)。


他の生徒たちも気になっていたところであり、 こそこそと聞耳を立てている。


「あぁ、つい最近からなんだが、なぁ、カレン。」

「そうね、ルルーシュ。」

 

その答えにシャーリーとスザクは撃沈し、周りで聞いていた生徒たちも肩を落とした。


「でも何でパーティーに参加したんだ。ルルーシュもカレンもこういうの苦手だろ。今回は生徒会役員強制参加じゃないんだし。」


そう、今回のパーティーは自由参加であり、実質ニーナは欠席であった。

皆が驚いたもう一つの理由は祭り事の好きでない副会長が会場に姿を見せたことにもある。


「あぁ、最後に少しだけ楽しんでおこうと思ってな・・・。」

「そうね、これが最後になるから。」

「ルルーシュ、それってどういう・・・。」


バンッ。


これが最後だというルルーシュとカレンを不審に思いスザクが尋ねようとしたその時である。

クラブハウスの玄関が勢いよく開かれ、数十人もの軍人が入ってきた。

会場内に生徒たちの悲鳴が響く。


「あれはっ。」

「えっ、うそ。」

軍人たちの後に続いて入ってきたのは神聖ブリタニア帝国第2皇子シュナイゼル・エル・ブリタニアだった。

自分が侵入者だと感じさせない優雅な態度。

非常識なこの状況も正しいことのように思えてしまう。

会場のざわめきも気にせず、シュナイゼルは真っ直ぐ中央にいる生徒会役員たちの方へ歩いてくる。


「シュナイゼル殿下、このような所へ、どうなさったのですかっ。」

「下がりなさい、枢木少佐。」

「いえ、しかしっ「下がりなさい。」


シュナイゼルのうむを言わせない圧迫にスザクはそれ以上言えなくなってしまった。

人を支配する、上に立つ者の力をスザクは始めて知った。


スザクを避けシュナイゼルは歩き出した。

しかし、また違う守り人が立ち塞がる。


「殿下、ミレイ・アッシュフォードにございます。今日はどういったご用件でのご来校ですか。前もってご報告頂ければお出迎えに伺いましたのに。」
 


「ミレイ嬢、今日は少し欲しいものがあってね。用が済んだらすぐに帰るから気を使わなくていい。下がりなさい。」

「出来ません。分かっているはずです。」

「アッシュフォード家にはもうそのような力はない。下がりなさい。」


丁寧に合わさった手は白くなり、爪が食い込む。

ミレイは唇を噛み締めてうつ向いた。

シュナイゼルはそんなミレイの横を静かに通り過ぎる。


目指した先には求めた者とその騎士がいる。

彼よりも一歩前に出て立つ黒いドレスの焔なる少女は騎士の鏡といえよう。


「久しいね、ルルーシュ。7年ぶりかい、きれいになった。本当に彼の皇妃の生き映しのようだ。」

「お久しぶりです、兄上。兄上はお変りないようで。」


挨拶、ただの挨拶のはずなのに、そこには膨大な圧迫感があった。

ただそこに在ることが辛い。

体が石になってしまったかのように誰一人として動けなかった。

それは支配権の取り合い。
 


「ずっと探していた。戻ってきなさい、ルルーシュ。私の元へ。」

「クスッ。お戯れを、兄上。私の答えなど既にお分かりでしょう。私は貴方の元へ戻る気はありません。」

「君は昔から頑固だったからね。だからこそ作った状況だ。君の騎士は優秀なようだが、彼女一人ではどうにもならないよ。」


自分の絶対を信じているシュナイゼルは穏やかに言った。

一つだけ気になることは、始めから今まで、ルルーシュが表情を変えないこと。


「私はチェスで貴方に一度も勝ったことはありません。しかし、だからといって今回のゲームも私が負けるとは限らないでしょう。」

「その自信はあるのなか。」

「私はもう貴方の操り人形になるつもりはありません。このゲーム、私は負けられないのですよ、兄上。」



ガッシャーン。


ルルーシュが言い終わると突然クラブハウスの窓ガラスが一斉に割れた。
 
 

会場内はまた生徒たちの悲鳴が響き渡った。


「もちろん、気付いているのでしょう。私がゼロだと。」


そこには黒の騎士団、ゼロの機体ガウェインがあった。

それも分かっていたのようにシュナイゼルはルルーシュに微笑む。


「分からないはずがない。君がゼロとして現れた時からずっと見てきたよ。ゲームはこれだけでは終わらないのだろう。」

「終わりませんよ・・・まだ。では、シュナイゼル皇子殿下、戦場でお会いしましょう。」


王は黒馬に乗り、焔の騎士と灰色の魔女を携えて去った。

後に残された光の皇子もまたゲームの一手を進める。






「言っただろう。これが最後だと。楽しかったよ、スザク。」


共にと誓った道はいつの間にか別れた。

いや、最初から交わってすらいなかったのかもしれない。


一人泣いた守り人は、それが貴方の望みのばと、偽りの楽園で主の帰りを待つ。


全ての駒が皿へとすくわれるのは白が先か、黒が先か――――。

 
 







ぱち、と目を開ける。そこは自分の寝室ではなくて、ナナリーが楽しそうに駆け回っている庭でもなくて、母さんが夕食を並べているリビングでもなくて。
無機質で質素な、男の部屋だった。


(……夢じゃない、か)


そんなことを思っておきながら、この現実は夢なんじゃないかと疑うことは、実はもうすでに諦めてしまっていたりする。言わば習慣のようなものだ。全くもって、励みになどなりはしないが。
昨夜私の頬を愛おしげに撫でていた男は、もう出勤したようだ。部屋に人の気配がしなかった。むくりと起き上がって目をこする。両の腕についた手錠がしゃらんと耳障りな音をたてた。
それを目にいれて、眉を顰める。何をするにも邪魔なこの手錠は、あの男が用意したものだった。今更逃げるとでも思っているのだろうか。


(…馬鹿馬鹿しい)


変なことを考えてしまう頭を軽く振って、目蓋を閉じた。






三週間ほど前、私はあの男に、枢木スザクに拉致監禁、加えて乱暴された(乱暴と言っても、決して乱暴な扱いはされなかったが。けどあの行為は乱暴と言うのだろう)。
最初は怖かったし、暴れたり抵抗もしたりした。けど所詮は相手は男で私は女である。勝てるはずもなかった。けど私は出来るだけ抵抗した。しかし抵抗するうち、お仕置きと称して恥ずかしいことをたくさんされたので、諦めた。
どうやら私の判断は正しかったらしく、抵抗しなくなってからは変なこともされなくなった。身体にぐるぐる巻かれていた拘束を解かれ、目隠しと口に回されていたタオルも解かれた。
思えば最初から、あの男は私に優しかった。

最初に家に帰りたいかと聞かれたとき、帰りたいと答えた。けど今は、帰りたいと思うのに、何故か帰りたくないという自分がいる。
早く家に帰って、母さんとナナリーを安心させてあげたいのに。私が二人を支えなければいけないのに。
あの男の傍にいたいだなんて、そんなこと。


(……有り得ない、)


本当に、何を考えているんだろう。相手はいくら優しくとも犯罪者だ。有り得ない。どうかしている。
そういえば、確か本で似たような症例が書いてあったのを思い出した。犯人と被害者が同じ閉鎖空間で長時間寝食をともにしているうち、犯人に対して特別な感情を持ってしまう精神的異常。きっと自分はそれだ。この状況から脱してしまえば、きっとそんなこと思わないに違いない。


(なんとかホルム症候群、だっけ)


なんだか言い訳しているみたいだ、と考えてしまった自分の頭を、とりあえず殴っておいた。





「ただいま、ルルーシュ!」


ばたん、と大きな音をたてて部屋のドアが開いた。満面の笑みの枢木スザクがこちらに駆けてくる。


「お帰りなさい」
「ごめんね、少し遅くなっちゃった。…はい、鍵空いたよ」
「…ありがとうございます」


枢木スザクが家にいる間、私をこの部屋に縛りつけていた手錠にぶら下がる鎖の鍵を外してもらい、部屋を自由に行き来することができる。といってもすることと言えばトイレに行くくらいで、あとは無理矢理枢木スザクの膝に乗せられてテレビを見るだけだ。(逃げようとは思わない。失敗したら今までの比にならないくらいの"お仕置き"が待っているだろうから)


「ルルーシュ、おいで」


ふかふかのソファに、枢木スザクが両手をこちらに広げて座っている。そのふんわりとした笑顔に毒気を抜かれて、小さく溜め息をついてから膝に横向きに座った。
ぎゅう、と抱きしめてくる腕はあたたかい。顔を見られたくなくて(多分赤くなってる)、広い胸に顔をうずめた。「どうかした?ルルーシュ」優しい声だ。酷く、頭がぼうっとする。頭を撫でて髪に指を差し込まれて、どうにかなりそうだった。「枢木、さん」「なに?」言わば習慣のようなものだった。


「家に、帰らせて」


枢木スザクは困ったように微笑みながら、「ごめんね」と言った。相も変わらずいつも通りだった。


(もし枢木さんが、いいよ、って言ったら、)


私は、なんて言うんだろうな。きっと、聞くに耐えないことを口走るんだろうな。そんなことを考えながら、降りてくる唇を黙って受け入れた。








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